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Channel: 錦之助ざんまい
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『浪花の恋の物語』(その7)

『森と湖のまつり』で有馬稲子が演じた鶴子という役は、内地人のアイヌ研究家との結婚に失敗し、札幌から釧路へ流れて、カバフト軒というスナックを営んでいるアイヌ女性だった。主役の高倉健はアイヌ民族運動の闘士・風森一太郎といい、鶴子は一太郎と元恋人同士だったことから、今でも腐れ縁で結びつき、カバフト軒は一太郎の隠れ家になっている。...

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『浪花の恋の物語』(その8)

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『浪花の恋の物語』(その9)

 話は3年あまり前にさかのぼる。  錦之助が有馬稲子と初めて会ったのは、昭和30年10月半ば、場所は築地の料亭であった。東京に台風が吹き荒れた日の夕刻、月刊誌「近代映画」の依頼で急きょ有馬と対談することになったのだ。...

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『浪花の恋の物語』(その10)

 その日の昼過ぎ、まだ風雨の強い中、錦之助は濃紺のスーツにネクタイを締めて、銀座へ向かった。グラビア写真の撮影だけなら普段着にジャンバーで済ますところだが、珍しく洋服の正装をしたのは、言うまでもなく有馬稲子に初めて対面するからである。  写真家の三浦はいつもと違う錦之助を見て驚いたが、すぐに納得が行って、 「きょうはお見合いでもするみたいですな」と冗談を飛ばした。  錦之助は照れながら、...

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『浪花の恋の物語』(その11)

 錦之助が銀座で写真撮影をしている間、有馬稲子は渋谷で映画を観ていた。封切られたばかりの錦之助主演の東映作品『獅子丸一平』(第一部)である。  実はこれが、有馬が初めて見る錦之助の映画だった。錦之助との対談が急に決まって、聞き手役を務める有馬は、せめて最新作だけは見ておこうと思い、台風の中、映画館へ足を運んだのだ。...

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『浪花の恋の物語』(その12)

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『浪花の恋の物語』(その13)

 錦之助と有馬は、会ってわずか数分で互いに好感を持ち合った。それから二人の対談は、和気あいあいに一時間ほど続いた。  有馬の用意してきた質問に対し、錦之助は率直に答え、さらに面白い打ち明け話を次から次へと話した。根が真面目でどんな冗談でも真に受けてしまいそうな有馬は、人をかつぐことが大好きな錦之助にとって、恰好の相手であった。...

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『浪花の恋の物語』(その14)

 この日、錦之助と有馬が出会ったことは、のちに二人が大恋愛の末、結婚したことを考え合わせれば、まさに男と女の運命的な邂逅であった。しかし、それはあとになってから言えることで、この時は二人とも、まさかそんなことになろうとは、思ってもみなかったはずである。...

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『浪花の恋の物語』(その6)

 初めは巨匠の前でかしこまっていた三喜雄も、だんだん打ち解けてきた。正座を崩さずニコニコしながら話を聴いている三喜雄を見て、吐夢が言った。...

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『浪花の恋の物語』(その7)

『森と湖のまつり』で有馬稲子が演じた鶴子という役は、内地人のアイヌ研究家との結婚に失敗し、札幌から釧路へ流れて、カバフト軒というスナックを営んでいるアイヌ女性だった。主役の高倉健はアイヌ民族運動の闘士・風森一太郎といい、鶴子は一太郎と元恋人同士だったことから、今でも腐れ縁で結びつき、カバフト軒は一太郎の隠れ家になっている。...

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『浪花の恋の物語』(その8)

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『浪花の恋の物語』(その9)

 話は3年あまり前にさかのぼる。  錦之助が有馬稲子と初めて会ったのは、昭和30年10月半ば、場所は築地の料亭であった。東京に台風が吹き荒れた日の夕刻、月刊誌「近代映画」の依頼で急きょ有馬と対談することになったのだ。...

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『浪花の恋の物語』(その10)

 その日の昼過ぎ、まだ風雨の強い中、錦之助は濃紺のスーツにネクタイを締めて、銀座へ向かった。グラビア写真の撮影だけなら普段着にジャンバーで済ますところだが、珍しく洋服の正装をしたのは、言うまでもなく有馬稲子に初めて対面するからである。  写真家の三浦はいつもと違う錦之助を見て驚いたが、すぐに納得が行って、 「きょうはお見合いでもするみたいですな」と冗談を飛ばした。  錦之助は照れながら、...

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『浪花の恋の物語』(その11)

 錦之助が銀座で写真撮影をしている間、有馬稲子は渋谷で映画を観ていた。封切られたばかりの錦之助主演の東映作品『獅子丸一平』(第一部)である。  実はこれが、有馬が初めて見る錦之助の映画だった。錦之助との対談が急に決まって、聞き手役を務める有馬は、せめて最新作だけは見ておこうと思い、台風の中、映画館へ足を運んだのだ。...

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『浪花の恋の物語』(その12)

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『浪花の恋の物語』(その13)

 錦之助と有馬は、会ってわずか数分で互いに好感を持ち合った。それから二人の対談は、和気あいあいに一時間ほど続いた。  有馬の用意してきた質問に対し、錦之助は率直に答え、さらに面白い打ち明け話を次から次へと話した。根が真面目でどんな冗談でも真に受けてしまいそうな有馬は、人をかつぐことが大好きな錦之助にとって、恰好の相手であった。...

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『浪花の恋の物語』(その14)

 この日、錦之助と有馬が出会ったことは、のちに二人が大恋愛の末、結婚したことを考え合わせれば、まさに男と女の運命的な邂逅であった。しかし、それはあとになってから言えることで、この時は二人とも、まさかそんなことになろうとは、思ってもみなかったはずである。...

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続『浪花の恋の物語』(その1)

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続『浪花の恋の物語』(その2)

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続『浪花の恋の物語』(その3)

 東映から梅川役のオファーを受けて間もなく、有馬は松竹本社へ城戸四郎社長に会いに行った。昭和34年度(4月から翌年3月まで)の契約更改の前に、社長の了解を得ておこうと思ったのである。...

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