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Channel: 錦之助ざんまい
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ラピュタ阿佐ヶ谷で『海の若人』を見る

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半年近くブログを休んでしまった。
きのう、錦之助映画ファンの会の方たち数名とお会いし、何でもいいから書いてほしいという要望をいただいた。私もずっと気にはしていたのだが、錦之助関係の資料を調べることやノートをとることのほうに専念して、ブログを書くことがおろそかになっていた。涼しくなり、夏バテからも回復したので、きょうからブログ再開したい。
あまり張り切らずに、気軽に書いていこうと思う。

さて、ラピュタ阿佐ヶ谷で現在、「東映文芸映画の宴」という特集をやっていて、約2か月間の特集期間に錦之助主演作が5本上映される。
『海の若人』『ちいさこべ』『花と龍』『続花と龍』『武士道残酷物語』である。
で、きのうは『海の若人』を見てきた。
この映画を映画館で見るのは本当に久しぶりである。調べてみたら、2009年11月、新文芸坐での錦之助映画祭りの時見て以来なのだ。9年近く前だ。
ビデオではこのブログに『海の若人』を6回にわたって書いた時(2015年5月末から6月初め)、数度見ているが…。

『海の若人』を今回また見て、感じたことを書いてみたい。ずっと前に書いたことと重複するかもしれないが、悪しからず。

まず、22歳の錦ちゃんであるが、時代劇の錦ちゃんとはイメージがずいぶん違う。ほぼノー・メークで普通の髪の毛だからか、時代劇の時より若く見える。未成年のようで、学生服が良く似合う。甘いマスクが余計引き立ち、いいとこのお坊ちゃんという感じ。当時の錦ちゃんファンが錦ちゃんのことを「マシュマロ」にたとえたことがあったが、分からないこともない。
演技も、初めての現代劇とは思えないほど、しっかりしている。現代語もまったく自然で、違和感なし。

ひばりちゃんは、17歳(もうすぐ18歳)だが、この頃はちょっとふっくらしていた。大根足で、足首も太い(きのう『海の若人』の後、ひばり主演の『恋愛自由型』を見たのだが、20歳のひばりちゃんはずいぶん痩せて、足もほっそりとしていた。大根足も治るのかと不思議に思った)。
ひばりちゃんもセーラー服が似合う。ほとんどのシーンはセーラー服で通していたが、兄の結婚式のシーンでは着物、家にいるシーンではセーターにスカートの私服だった。セーター着では胸のふくらみが目立っていた。ひばりちゃんの演技は、相変わらず自然で上手。

錦ちゃんとひばりちゃんの二人のシーンはどれも印象的でほほえましい。
ピクニックの帰り、バスの中で森永ミルクチョコを半分に分け合って食べたあと、芸者の田代百合子が乗り込んできて、パーカーの万年筆が布団の中にあったと言って、錦ちゃんがあわて、ひばりちゃんが怒るところが面白い。
この映画、パーカーの万年筆という小道具が実にうまくストーリーに生かされている。
森永チョコレート・コンビは確か昭和29年暮には錦之助と北原三枝だったと、どこかで読んだ気がする。とすると、ひばりが錦ちゃんと組むため、森永の宣伝を買って出て、北原三枝と代わったのだろうか。

海岸で星十郎と対決する場面。錦ちゃんのあざやかな一本背負いが2本決まる。錦ちゃんは、中学時代、講道館で柔道を習っていた。昔とった杵柄か。
芸者の田代百合子を錦ちゃんがおんぶして歩くところは、場所を変えながら3カットもあった。よくもまあ、錦ちゃんファンが嫌うおんぶのシーンをこんなに長く撮ったものだと思う。田代百合子は豊満で、いかにも重そう。

『海の若人』の主題歌(木下忠司作曲)の歌詞を書いておく。
おも舵、取り舵
とも綱、解いて
錨を上げたら、出発だ
若い僕らの憧れ乗せた
船は海原越えていく



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