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Channel: 錦之助ざんまい
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ラピュタ「錦之助映画祭り」その22

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 本の制作からやっと解放された。
 夕方、ラピュタへ行って、石井さんと打合せ。『関の彌太ッペ』と『冷飯とおさんとちゃん』の35ミリフィルムのニュープリントが4月初めに出来るので、試写を見に一緒に東映ラボテック(調布にある)へ行ことになった。費用は2本で150万円。これをラピュタと錦之助映画ファンの会が折半で出す。上映会が終われば、このプリントは東映へ寄贈することになる。まあ、仕方がない。
 7時から『蜘蛛の巣屋敷』を見る。最終回なのに25人くらいの入り。ちょっと少ないなあと思う。この映画、スクリーンで見るのは10年ぶり。錦之助・沢忠コンビの映画としては、まあまあのレベル。あっちを立て、こっちを立てといった八方美人的な沢島忠監督の弱点が現れた作品だと思う。
 明日は、雑務処理。明後日またラピュタへ行って、『曽我兄弟』と『ゆうれい船 前篇』を見る予定。
 初日の記念写真をアップしておく。光の具合が悪く、写りが今一歩だった。二代目錦之助の隣りにいる女性は、ラピュタ支配人の石井嬢。




ラピュタ「錦之助映画祭り」その23

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 きのうはラピュタへ行って、『曽我兄弟 富士の夜襲』を見てきた。大好きな映画で、もう何度見たか分からない。
 最初に見たのは私が5歳の頃で、大感動したのを今でも憶えている。ラストで千代ちゃんの十郎が自害するところにショックを受けた。私が小さな頃、映画館で見て感動した映画は4本あって、その内の1本である。ほかの3本は、『日本誕生』『ベンハー』『荒野の七人』なのだが、『曽我兄弟』を二度目に見たのは50歳を過ぎてからで、ビデオでだった。その時も感動した。
 スクリーンで再び見たのは、11年前、佐々木康監督の上映会が新文芸坐であった時だ。佐々木家がお金を出して東映に焼いてもらったニュープリントを見た。これがきっかけで、私は一念発起し、錦之助映画のニュープリントをファンの会の寄付金で作り始めることになった。思えば、それから錦之助祭りの企画とニュープリント制作に力を尽くしてきたが、今回の錦之助祭りで上映する35作品のうち、以前錦之助映画ファンの会の寄付金で作った映画が何本かあるので、ここに記しておきたい。
『ゆうれい船 前後篇』『殿さま弥次喜多 怪談道中』『一心太助 男の中の男一匹』『任侠清水港』『隠密七生記』『江戸っ子奉行 天下を斬る男』である。今回は上映しないが、『忠臣蔵』もそうだ。総額二百数十万になるだろう。ファンの会(現在会員数58名)には寄付に協力されて亡くなった方も数人いる。きっと今回の錦之助祭りに来て映画を見たかっただろうなあと思うと、感慨ひとしおである。





ラピュタ「錦之助映画祭り」その24

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 読売新聞の夕刊を買いに永福町駅のキオスクへ行ってきた、愛犬の散歩ついでに。
 出てました!「錦之助映画祭り」の記事。はたして反響があるかどうか?



 3月24日の初日に東京新聞の朝刊に出た記事もアップしておく。電話の問い合わせがラピュタにたくさんあったという。こちらの方が記事の内容は良いと思うが…。



ラピュタ「錦之助映画祭り」その25

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『ゆうれい船』のロケ地・伊豆西海岸で。円山榮子さん、錦ちゃん、長谷川由紀子さん

 円山榮子さんのトークのある回(15:00~)は昼前に満員札止め。京都からいらした円山さんを午後1時半に阿佐ヶ谷駅へ迎いに行く。喫茶店で円山さんと軽食をとってから、2時半にラピュタへ行き、早速サイン会をやって、『ゆうれい船 前篇』をいっしょに見る。すばらしい映画だ。
 見終わって、すぐにトーク。円山さんの聞き手を務めるのは今度で四度目。この映画の思い出、東映へ入ったきっかけ、当時錦之助さんとあまり話せなかったことなど、30分ほどお話になる。円山さんの真面目で暖かいお人柄もあって、なごやかなムードで進み、超満員のお客さんも嬉しそうに聞いていた。



 次の『ゆうれい船 後篇』も満員で、円山さんは後篇もご覧になる。私はお客さんに席を譲って、見ないで休憩。上映後、サイン会、記念撮影を行って、7時半ごろ終了。
 円山さんを立川の宿まで私の車でお送りする。9時過ぎに宿の近くのラーメン屋でいっしょに遅い夕食をとる。円山さん、お腹がすいていたらしく、トンコツ・ラーメンを完食。
 円山さんと別れて、甲州街道を引き返し、10時半に帰宅。


ラピュタ「錦之助映画祭り」その26

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 昨日、今日と、いろいろなことがあった。
 昨日は、近藤昭仁氏(北沢典子さんの御主人)のお葬式に列席して総持寺を出たら、あいにくの雨で、傘がなくずぶ濡れ。服を乾かすため鶴見駅のビルのハンバーガー屋にいると、佐々木康監督のご長男の奥様から感謝と激励の電話をいただいた。錦之助祭りで佐々木監督作品を4本上映することを大変喜んでいらして、今度ご夫妻でラピュタへ映画を見に来られるとのこと。それと、佐々木康監督の生誕100年祭(2008年1月)の時作った記念本を30冊寄贈するから、売ったお金は上映会の費用の足しに遣ってくださいとのこと。(今日その本がラピュタに届き、石井さんに聞いたら40冊入っていたそうで、早速販売開始した。定価1,000円)



 帰宅して、丘さとみさんへ電話。錦之助祭りの現況報告とトークの打ち合わせのほか、40分ほど話す。『花かご道中』という東映映画で、丘さんが美空ひばりさんと一緒に歌っているシーンがあるので、ぜひ見てよと言われる。あとでYouTubeにその場面がアップされていたので、見たところ、丘さんが歌う箇所はごくわずか。
 土曜に「青春二十一 第四巻」の新刊案内をジュンク堂と紀伊國屋書店など65店にファックスしておいたが、その注文ファックスがポツポツと来る。今のところ7店だけ。1冊のみが多く、反応悪し。ジュンク堂池袋店と紀伊國屋梅田店は3冊。
 
 今朝は、円山榮子さんへお礼の電話。一泊して、昨夜京都へ帰られたとのこと。楽しかったし、疲れなかったそうだ。
 午後、俳優座へ電話して、担当の方と話し、岩崎加根子さんからの伝言を聞く。5月19日に行きますとのこと。これで、岩崎加根子さんのトークの日時が決定。5月19日(日)の『反逆兒』(12:40~)の上映後に約30分(延長40分まで)。そのため後の作品の上映開始時刻がずれて、15:30、17:20、19:10 と変更になる。「錦之助映画祭り」の最終週で、まだずっと先の話であるが、岩崎さんにお会いするのは初めてなので、聞き手の私もワクワクしている。トークでは、『反逆兒』のことだけでなく、共演して感じた錦之助さんの演技のこと、伊藤大輔と内田吐夢両監督の演出のことなど、突っ込んだ質問をして、いろいろお聞きしたいと思っている。岩崎さんが憶えていらっしゃるかどうか、それが問題だ。

 星美智子さんへ電話。年賀状もいただき、錦之助祭りのチラシも送っておいたが、お元気かどうか気になって連絡した。星さんは現在92歳。江戸っ子で話しだしたら止まらない方で、「今ご飯食べてるとこなのよ」「じゃあ、あとでまた電話しましょうか」「いいわよ。で、何?」から始まって、延々1時間、話すわ、話すわ。この間インタビューした中原ひとみさんが、東映の第一期ニューフェイスに受かったのは審査員だった星さんの推薦があったからと言ってました、覚えてますか?と尋ねると、ちゃんと覚えていた。「この子、可愛い、可愛い」って言ってあげたのよ。山本麟一もあたしが推薦したんだから、とのこと。ともかく、星さんは昔のことをよく覚えていて感心する。星さんの話は、日本映画界の舞台裏を伝える貴重な証言が多く、早くインタビューして録音しておかなければならないと痛感。


星美智子さん。2010年11月「錦之助映画祭り」で

 3時半に家を出て、ラピュタへ。石井さんと打ち合わせの後、『ゆうれい船 後篇』と『殿さま弥次喜多 怪談道中』を見る。どちらも楽しい映画で大満足。平日の夕方からなのに。お客さんの入りも良く(30名前後)、ほっとする。徐々に錦之助祭りが広まってきたとしたら、嬉しい。




ラピュタ「錦之助映画祭り」その27

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 きのうは、親しくしている活動弁士の縁寿さんとラピュタで待ち合わせ、喫茶店で1時間ほどおしゃべりしてから、いっしょに『風と女と旅鴉』を見た。彼女は、この日『ゆうれい船 後篇』『殿さま弥次喜多 怪談道中』を見て、これが3本目。とくに『風と女と旅鴉』には感動したそうで、早速、ブログに素敵な記事を書いてくれた。

<ブログ:活動弁士は七変化/錦之助映画祭り>
https://ameblo.jp/bensi/entry-12451786843.html?fbclid=IwAR0_0iTfF1azk-H5NxiKkr-KBe5C8cxvgk_k0DRFzUI138ktGfu6Saq52vw

 きょうは、調布にある東映ラボテックへ行って、試写室でニュープリントにした『冷飯とおさんとちゃん』と『関の彌太ッペ』を見てきた。色彩調整をしたらしく、プリントの出来栄えは上々。大阪のイマジカに外注して制作したそうだ。どちらの作品も内容が素晴らしく、何度見ても感動する。同席していた東映営業部の高橋さん(女性)とラピュタの石井さんは、『ちゃん』を見て泣き、『彌太ッペ』を見てまた泣いた、と言っていた。私は『冷飯』を見ると、途中とラストでいつも泣くのだが、若い女と年取った男では感じ方が違うのだろう。でも、やっぱり、この2作品はニュープリントにして良かったと思う。

ラピュタ「錦之助映画祭り」その28

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 入江若葉さんのトークのある『宮本武蔵』の回は、10時半に補助席の分まで完売。12時過ぎ、若葉さんが姪御さん(入江たか子さんにそっくり)と一緒にいらっしゃり、『武蔵』をご覧になった後、いよいよトーク。
 「一番初めに撮ったのは、権爺ィ(阿部九州男)のところへ走って行くカットだったんですけど、わたし、映画の撮影のことなんにも知らなくて、『はい、本番スタート』の声を聞いて、すぐにビューって走り出してしまったんです、内田先生が合図する前に」(笑)



 この失敗談から始まって、いろいろな話を30分。聞き手の私は、質問するスキもない。面白かったのは、お通の役が内定して、吉川英治氏の邸宅を訪れた時のこと。
 「通学路でいつもそのお屋敷の前を通っていたんですけど、それが吉川先生のお宅だったと知ってびっくりしました。いつか中に入ってみたいなと思っていたんで、嬉しくて」(笑)



 トークの後、ロビーでサイン会。できるだけ記念本を買ってほしいと言っておいたので、30冊近く売れたのではなかろうか。良かった。『宮本武蔵』のポスターの前で若葉さんの撮影タイムを取って、3時半に終了。



 ラピュタを出て、若葉さん、姪御さん、彼女の知人二人と私の五人で近くの喫茶店へ行き、1時間ほど歓談。若葉さんはお腹が空いていたらしく、海鮮カレーを食べ、ビールを飲まれる。
 4時半に若葉さんたちと別れ、私はラピュタへ戻り、『任侠清水港』を見る。

ラピュタ「錦之助映画祭り」その29

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 昨日と今日で、記念本「青春二十一 第四巻」の発送をほぼ終了。ファンの会の会員で土日にラピュタで手渡ししなかった人(46名)と関係者へ計57冊送った。宛名シールの印刷・貼付から封詰めまで、全部一人でやっているので、かなり時間がかかる。年会費・寄付金の受領証やお礼の手紙を添えたものもあり、その作成にも時間を食う。今日の午後3時過ぎに、郵便局へ運んで、すべて出し終わる。これで1月下旬から錦之助映画祭りの準備と並行しながら進めてきた記念本の仕事がようやく終わった。ほっとして疲れがどっと出たのだろう。郵便局から帰って来て、5時間ほど熟睡。明日からはゆったりと過ごせそうだ。

 若葉さんの姪御さんが写真を送ってくださったので、アップしておく。






 

ラピュタ「錦之助映画祭り」その30

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 きのうラピュタで錦之助の映画を3本見た。上映作品はこれまで欠かさず見ているので、これで17本見たことに。35本の上映作品の半分だ。
 明日からは「錦之助祭り」の後半が始まる。明日のトークショーのゲストは丘さとみさん。


 丘さとみサイン入りブロマイド

 錦之助の相手役と言えば、丘さんをおいて他にない。共演数も相手役としての役柄のヴァライティも丘さんが一番だ。錦ちゃんとの共演作で、丘さん自身が好きな作品として挙げるベスト・スリーは、『遠州森の石松』『弥太郎笠』『東海の顔役』。夕顔、お雪、お蝶だ。
 さて、明日のトークショー、16時40分からの『遠州森の石松』の上映後で、18時20分からだが、きっと朝の10時には満員札止めになるだろう。あふれたお客さんには申し訳ないが、定員制限があるので仕方がない。
 先ほど丘さんと電話で話し、簡単に打ち合わせした。丘さんの板橋のお宅へ私が車で迎えに行って、18時ごろラピュタへ着く段取り。映画の方は丘さんも私も見ないで、お客さんのために席を空けようということに。トークの内容は「丘さとみヒストリー」。当然錦ちゃんの話も出るだろうが、丘さんを主役にしたいと思っている。トーク後にサイン会もお願いしてある。混乱しないことを願っているが、どうなることやら?


 2013年11月、錦之助映画祭りでのトークショー


ラピュタ「錦之助映画祭り」その31

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 丘さとみさんのトーク、実に楽しかった。大阪弁でところどころに英語を交え、ユーモアたっぷりの話しぶり、さすが丘さん!
 17歳の時、シンデレラ日本代表に選ばれ、渡米してウォルト・ディズニーに歓待された話、東映京都の撮影所で憧れの錦ちゃんをナマで見た時の話、大好きなひばりちゃんとの交流などなど、きょうの丘さんは絶好調で、超満員のお客さんの笑いをとりまくる。トークの後半、丘さんがしゃべり疲れてきたので、聞き手の私がツッコミを入れ、丘さんがボケるといった展開に。なんだか二人で漫才をやっている感じで、あっという間の30分だった。きょうはトークに全力を尽くすということで、サイン会はなし。「おばあちゃんになったから、写真も撮らないで!」と丘さんに懇願され、お客さんたちによる写真撮影もなし。ただし、事務室でラピュタ・スタッフと私との記念写真だけは撮らせていただいた。
 丘さんとは5年ぶりにお会いしたのだが、少し痩せてお年を召された印象を受けた。83歳になられたのだから当然なのかもしれない。お迎えの車中ではいろいろお話ししたのだが、帰り道は言葉が少なく、「もう何やるにも面倒になっちゃってね。何かするとすぐ疲れちゃうし、年だわねえ」と溜め息をつかれていた。
 丘さとみさん、わざわざ来てくださって、本当にありがとうございました。






ラピュタ「錦之助映画祭り」その32

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 『独眼竜政宗』(1959年、河野寿一監督)を久しぶりに見る。錦之助の若き日の伊達政宗が素晴らしい。この映画、見どころが多く、私の大好きな一本。月形、大河内の名優二人と錦之助のからみの芝居が良く、まだ若手女優だった佐久間良子との初共演も息が合っている。錦之助が乗っている白馬は、当時東映の厩舎にいた名馬で、確かひばりちゃんの馬だったと高岡正昭さん(馬上の錦ちゃんのスタントマン)から聞いた憶えがある。政宗が刺客に襲われ、右目に矢が突き刺さるカットは、逆回転撮影。豪雨の中の立回りも凄い。
 『独眼竜政宗』は、錦之助の青春時代の最後を飾る映画だったと思う。その後公私ともに錦之助の身辺に大きな出来事が起こり、錦之助は自立して新たな人生へ向かって行った。父時蔵の死、有馬稲子との出会い、『浪花の恋の物語』での演技的成長など。



 今日は昼からラピュタへ行って、『遠州森の石松』と『瞼の母』を見る予定。ついでに『浪花の恋の物語』も見ておこうかと思っている。日曜の有馬さんのトークの日は、超満員で、きっと私の座る席もないだろうから。

ラピュタ「錦之助映画祭り」その33

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 有馬稲子さんのトークが無事に終わって、ほっとした。さっき有馬さんにお礼の電話を入れて、お客さんも大満足だったことを伝えると、「もっとたくさん入れたら良かったのにねえ」と有馬さんもちょっと残念そう。
 なにしろ昨日は、朝9時前に長蛇の列が出来て、私が行った9時20分にはすでに入場券完売だった。実は、有馬さん、数日前から腹痛が続いて、もしかして中止の可能性もあるかと心配していたのだが、9時半に連絡を取ると、「まだ調子悪いけど、錦ちゃんのためだから、行くわよ!」 これで一安心、新横浜のマンションまで、車で迎えに行く。第三京浜は空いていたが、環八が混雑していて、有馬さんを乗せて、阿佐ヶ谷まで来るのに1時間半もかかる。車中、暑いうえに、いろいろ話していたら、ラピュタに着いた時には、有馬さんも疲れてぐったり。
 事務室で15分ほど休憩して、『浪花の恋~』上映中の館内へご案内して15分ほどご覧になって、また15分事務室で休んで、いよいよトーク開始。
 本番になると、さすが有馬さん、体調不良をものともせず、しゃきっとして、話すわ話すわ! 途中で『浪花の恋~』の名場面の梅川の長セリフまで披露。60年前の映画のセリフを今でも覚えている有馬さんに、超満員のお客さんから大きな拍手が起こる。ガラガラ声を詫びながらも、有馬さん、気を良くしたのか、乗ってくる。
 変わりばえのしない話をお聞きしても面白くないと思い、私も突っ込んだ質問を試みる。「某監督とはいつごろから親密な関係になったのですか? 『愛人』を撮り終わってすぐですか?」と訊くと、少し憤然とされた有馬さん。「あなた、昔はそんなすぐなんてこと、あるわけないでしょ。今の人なら、会ってすぐやっちゃうかもしれないけど!」 このお答えにはお客さんも私も唖然とする。
 錦ちゃんとの離婚の原因の真相も訊いてみた。姑のひなさんとの確執、7000万円に上る税金の追徴金のこと、フランス行きが錦ちゃんの組合運動で駄目になったことなど。が、有馬さんにうまくはぐらかされてしまった。後半は錦ちゃんとのエピソードで有馬さんから何度も伺った話だったが、お客さんは喜んで聴いている様子だった。
 30分ほどでトークが終わり、ロビーでサイン会と写真撮影。有馬さんの本を買った30名ほどの方にサインをしていただく。3時半にすべて終了。元マネージャーの女性の差し入れのゴディバのチョコレートを分け合って食べ、スタッフと記念写真を撮って、ラピュタを出る。





 帰り道は快調。有馬さんもほっとなさって、「なんだかお腹が空いたわね。あたしがおごるから、どっかで何か食べてかない?」「洋食なら環八に神戸屋がありますけど、そこ行きましょうか」 有馬さん、この1週間、腹痛でちゃんとした食事を取っていなかったらしく、ステーキとハンバーグのセットと赤ワインのグラス、それと食べ放題の焼き立てのパンを注文。私は真鯛のムニエルとパン。「食べきれないから、半分あげるわ」と有馬さん。それで私も満腹。神戸屋に一時間ほどいて、有馬さんがお金を払い、お宅へ着いたのは夕方の5時半。
「きょうは久しぶりに楽しかったわ!と有馬さん。トークは30分だったが、行き帰りの車中とレストランで有馬さんとは3時間以上話したと思う。主に芝居や映画や俳優の話で、錦ちゃんとは関係ない話だったが、互いにずっとしゃべり続けていた気がする。

ラピュタ「錦之助映画祭り」その34

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 昨日の『お坊主天狗』『関の彌太ッペ』『宮本武蔵 一乗寺の決斗』は超満員だった。座席はお客さんに譲って、私は通路の座布団と補助イスに座って『お坊主~』と『一乗寺~』の2本を鑑賞。元号が変わった初日だったが、錦ちゃん祭りも後半に入り、盛り上がってきた。
 
 明後日の土曜は、星美智子さんが挨拶に見える。12時半からの『お坊主天狗』の上映前に10分ほど錦ちゃんの話をしていただけることに。映画はちょっとだけ見て、昼食をご一緒することになった。星さんのお話は非常に面白いので楽しみだ。
 
 下の画像は『多情佛心』(1957年)での健さんとのキスシーン。




ラピュタ「錦之助映画祭り」その35

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 きのうもラピュタへ行く。昼から夕方までの三つの時間帯は相変わらず満員。7時からの時間帯になると空いて、20人ほどの入り。『お坊主天狗』はレアな映画なので、この機を逃したら見られない。それが分かっているお客さんが来ているにちがいない。『関の彌太ッペ』は名作で、しかもニュープリント。『宮本武蔵 一乗寺の決斗』は言わずと知れた傑作。この3本のラインアップをゴールデンウィークに当てたことが集客力を高めた理由だろう。プログラムは主にラピュタ支配人の石井嬢が組んだのだが、うまく行って良かったと思う。
 
 きのうはまず『関の彌太ッペ』を鑑賞。この映画は何度見ても、感動する。彌太ッペが木槿(むくげ)の花咲く垣根越しに、家の中にいるお小夜を眺めるシーンが前半に二度、後半に一度あるのだが、この場面になると胸にジーンと来て、いつも目頭が熱くなる。マニヤックに見ていて気になる点では、お小夜を救った後の茶店の場面で、お茶を飲みながら話す錦ちゃんのアップとセミロングのカットつなぎに違和感があること、十朱幸代のペット(?)の白猫がセットの中でもなぜか馴染んでいること、ラストの暮れ六つの鐘が、数えると7回鳴ること、など。



 『彌太ッペ』を見終わって、感動醒めやらず、一人で阿佐ヶ谷を散策。手打ち蕎麦屋で、天ぷらそばを食べ、それから古本屋へ寄って、本を数冊買う。前から探していた稀覯本「名優藝談」(川尻清潭編、昭和11年)を2500円で入手できた。ラッキー!
 ラピュタへ戻って、7時から『若き日の次郎長 東海の顔役』を見る。素のままで自由奔放、最も威勢のいい錦之助が見られる作品である。丘さとみのお蝶とのやり取りが微笑ましく、田中春男との掛け合いも面白い。女郎屋で大川恵子と再会する場面もいい。マキノ雅弘監督が楽しそうに演出している様子が目に浮かぶ作品で、この映画を見ると、いつも元気をもらえる。ラストの錦ちゃんと丘チンのラブシーンを見て、すっかり良い気持ちになってラピュタを出る。
 いいことづくめの一日だった。



ラピュタ「錦之助映画祭り」その36

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 きのうは、92歳の最高齢現役女優、星美智子さんが、錦ちゃん祭りのお祝いと陣中見舞いに、ラピュタ阿佐ヶ谷に来てくださった。星さんとお会いするのは4年ぶり。1年半前に自宅の階段から落ちて腰骨を折り、2か月入院したそうで、歩くのがちょっと大変になったが、身体は健康で、頭も全然ボケていない。星さんは、世田谷区瀬田の一軒家にお嬢さん(英会話学校ECCの先生)と二人暮らしで、稼ぎ手のお嬢さんのために料理も洗濯もなさっている。最近まで、自分で小型の自家用車も運転していたが、88歳になった時に免許を返上したという。
 11時に瀬田のお宅へ車でお迎えに行き、昼前に阿佐ヶ谷へ到着。ラピュタは初めての星さん、ここの雰囲気が大変気に入ったらしく、ロビーの丸テーブルの前に腰かけ、紅茶を飲みながら早速お客さんと歓談。新文芸坐での星さんのトークショーに来たことがある人だったので、話が弾む。映画監督の細野辰興さんも見えて、話に加わる。なにしろ星さんに、戦後の東横・東映時代の裏話を訊いたら、止めどなく面白い話が飛び出す。記憶も衰えていない。
 本当は、星さんが錦ちゃんと共演している映画を上映して、その時にトークをしていただくつもりだったのだが、当てにしていた『青雲の鬼』の16ミリフィルムの状態が悪く、上映できなかった。錦之助の映画ではほかに、『勢ぞろい喧嘩若衆』『紅孔雀』『晴れ姿一番纏』『大菩薩峠 第二部・完結篇』『若き日の次郎長 東海道のつむじ風』に星さんは出演していて、何と言っても『大菩薩峠 第二部』が星さんの代表作だと思うが、内田吐夢監督作品は『宮本武蔵』5部作を優先したので、これも上映できなかった。誠に残念。
 今回はお客さんには告知なしの抜き打ちトークと言うか、わずか15分だったが、折角いらした星さんには12時半から『お坊主天狗』の上映前に錦ちゃんの思い出話を披露していただいた。仲睦まじかった錦ちゃんとひばりちゃんとのこと、お母さんのひなさんのこと、大勢の出演者と朝早くから待っていたら、錦ちゃんの都合で撮影が中止になったことなど。お客さんは30名位だったが、がらっぱちの江戸っ子婆さんが急に目の前に現れて、ベラベラ話したので驚いたことだろう。でも、最後に「みなさん、いつまでも元気で長生きしてください!」と星さんが言うと、暖かい拍手で送ってくれた。
 映画は見ないで、ロビーで記念写真を撮り、ラピュタを出て、近くの鰻屋へ。星さん、うな重(肝吸いとお新香付き)をご飯粒一つ残さず、おいしそうに平らげる。店を出たら、雨がポツポツ降り出し、車でお送りする途中で大雨に。午後3時半、家で待っていたお嬢さんのもとへ星さんを送り届け、私もほっと一息。「あと2年は持つと思うから、また呼んでよ」と言う星さんと固い握手を交わし、手を振りながら見送る星さんの笑顔を見ながら、星さん宅を後にした。






ラピュタ「錦之助映画祭り」その37

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 きのうは入江若葉さんがニュープリントになった『冷飯とおさんとちゃん』(田坂具隆監督、昭和40年)を見にいらっしゃった。上映前に10分ほどご挨拶していただき、最後部の席でいっしょに鑑賞。私は先日、試写で見たばかりだったが、この映画は何度見ても感動する。『ちゃん』では途中から涙が出て、鼻水が止まらず、困った。ティシューを持っていなかったので…。
 終わって、お誘いした映画監督の細野辰興氏と若葉さんと三人で、近くの中華料理屋で1時間ほど歓談。若葉さんは何かお宅で急用ができたらしかったが、お引止めしてしまい、悪いことをしてしまった。申し訳なく、お住まいになっている東陽町のマンションまで車でお送りする。
 『冷飯とおさんとちゃん』は、ニュープリント代が約100万円。ラピュタ(石井さんの強い希望があった)と錦之助映画ファンの会で折半してお金を払い、東映に寄贈することになる。埋もれた名作なので、できるだけ多くの方に見てもらうことを切に願っている。二日とも30人を超す入りだったが、早い時間帯になれば、もっとお客さんが入るのではないか。3時間の大作を同じ料金で見られ、ラピュタも採算を度外視した意気込みでの上映(入場数500人でも赤字)なのだ。しかも、不朽の名作。主催者としてこの映画は絶対に見てもらいたい!!

ラピュタ「錦之助映画祭り」その38

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『宮本武蔵 巌流島の決斗』上映後の金子吉延さんのトーク、実に楽しかった! 吐夢監督、片岡千恵蔵、三國連太郎、そして錦之助さんとのエピソードを次々に紹介してくださり、聞き手であることを忘れて、聴き入ってしまった。それぞれの話にオチがあり、落語のような面白さ。満員のお客さんもきっと楽しめたと思う。(このトーク、録音したので、いつか文字起こしして公表したい)
 サイン会も好評。お人好しで気さくな金子さんなので、チラシ、色紙など、何にでもサイン。また、彼のサインがシャレていて、いいんだなあ!
 終って、ラピュタ社長の才谷さん、私と三人で記念写真を撮り、喫茶店へ。金子さんの友人のショッカーO野さん、金子さんの親類の方、錦之助祭りに協力してくれている杉山蔵人くんも加わり、小1時間ほど歓談。4時半ごろ散会。





ラピュタ「錦之助映画祭り」その39

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 『冷飯とおさんとちゃん』は、7日間でトータル300人の入りだった(石井さんの話)。ラピュタでは記録的な大入りだったのではあるまいか。ニュープリにした甲斐があった。今回初めて見て感動したというお客さんの感想も数多く聞いた。ラピュタに通っている20代半ばの若い男性の映画ファンは、恋人にも勧めて、見せたという。先日、彼に紹介されてその可愛らしい恋人と会ったら、ほんとに素晴らしい映画だったと言っていた。田坂監督の他の作品もぜひ見たいというので、いろいろ教えてあげた。

 

 記念本『青春二十一 第四巻』がやっとアマゾンで新刊本として発売開始になった。定価1000円なのに、これまで詐欺まがいの業者が、6000円とか4000円とか法外な値を付けて、アマゾンの中古市場で売っていて、それを見るたびに頭に来ていた。が、これで解決。みんな一斉に出品を取り下げてしまった。アマゾンに何度もメールし、自分で出した本に初めて五つ星を付けてレピューを書いたことが、ようやく功を奏したようだ。
 絶版の『青春二十一 第一巻』(定価1000円、限定500部発行)は、アマゾンの中古市場で現在10000円以上の高値で1冊出品されているが、何とかなるまいか。手元に返品になった同書が20冊ほどあるのだが、知り合いに頼んで、格安な値段でアマゾンで売ってもらおうかとも考えている。そうすれば、こいつも出品を取り下げるか、値を下げるかもしれない。



ラピュタ「錦之助映画祭り」その40

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 錦之助映画祭りも残すところあと11日。きょうから『反逆兒』が始まる。時代劇の巨匠伊藤大輔が初めて中村錦之助を主演にして撮った傑作中の傑作。フィナーレを飾るにふさわしい作品である。
 そして19日(日)は、最後のトークゲストに岩崎加根子さんがお見えになる。昨日、俳優座の担当の方と打合せを済ます。岩崎さんは親しい方と車で来られるとのことで、ラピュタ阿佐ヶ谷の隣りにあるパーキングの地図と経路をファックスした。岩崎さん、『反逆兒』をご覧になるそうだ。



ラピュタ「錦之助映画祭り」その41

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 錦之助映画祭り最後のトーク・ゲストは岩崎加根子さん。岩崎さんにお目にかかるのは初めてだった。いくら人見知りしない私でも、ちょっとだけ緊張したものの、10年前から直接お会いできる機会を待ち望んでいたので、ものすごく楽しみでもあった。それで、ラピュタの事務室で岩崎さんにお会いして自己紹介し、これまでの経緯をお話したら、5分もしないうちに打ち解けてしまった。岩崎さんの自然体で飾らない率直な話しぶりと奥床しく飄々としたお人柄のせいだと思う。それで、本番ではわりとリラックスして聞き手を務めることができた。
 トークの内容も実に興味深かった。『反逆兒』の時に、付き人もなくたった一人で東映京都撮影所へ行ったら、錦之助さんが気遣って何かとスタッフに指図して世話を焼いてくれたこと。また、お二人とも舌足らずで(舌が短い)、舌比べをした楽しい思い出なども話してくださった。錦之助さんとの濃厚なキスシーンについて質問すると、岩崎さん、他人事のように「すごかったわね。今見て、びっくりしました!」(お客さん爆笑)
 『反逆兒』は、築山殿(杉村春子)と徳姫(岩崎加根子)の姑と嫁の丁々発止のやりとりが見ものだが、杉村春子さんとの面白いエピソードも紹介。岩崎さんが着物の裾を上げてセットに入ろうとしたら、素足を見た杉村さんが「あなた、こっちへ来なさい! 足にも白粉塗らなきゃダメでしょ」(杉村さんの口真似をしたので、爆笑)そんなところ見えないのにと思ったが、杉村さんの注意は守ったそうだ。「錦之助さんに抱き上げられて足が見えたカットがあったけど、みなさん、分からなかったでしょ?」(また爆笑)
 岩崎さんを凄いと思ったのは、伊藤大輔監督にしろ、杉村春子さんにしろ、また内田吐夢監督にしろ、決しておじけることなく、仕事だと割り切って、常に芝居に打ち込んでいらしたように思えたことだ。ダメ出しもなかったという。さすが大女優! どんな役でも自分のものにして堂々と自信を持って、演技をなさってきたのだろう。
 ほかにもいろいろ話してくださったが、書ききれない。(このトークは録音したのでいつか文字起こししたい)。


(岩崎さんの隣りにいるのは俳優座のホープ椎名慧都さん。私の隣りは映画監督の細野辰興氏) 

 さて、トーク後、写真撮影(上の画像)を終え、岩崎さんとお連れの方(歯医者さんの女性で、車を運転していらした)を誘って、近くのレストラン(「青松」)で歓談。細野さんも参加。岩崎さん、昼食を抜いていらしたので、赤ワインを飲みながら、おいしそうに中華料理を召し上がっていた。店を出て、細野監督と別れ、駐車場まで歩きながら、すぐそばに猫バーがあることをお教えすると、「あたし、カネコというくらいで、猫大好きなの」とおっしゃる。で、Tom’s Bar へ行くと、前田店長がいたので、開店前なのに入れてもらう。ここでまた、猫を観察しながら、1時間半ほど岩崎さんのプライベートなお話を聞きながら、楽しく過ごす。これまで猫は代々5匹飼って来られたとのことで、「半平」というオス猫を最近亡くなるまで飼っていたという。月形半平太から取った名前だそうだ。
 7時半まで猫バーにいて、お別れしたが、「きょうはなんだか一日中遊んじゃって、楽しかったわ」と岩崎さん。良かった!

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