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Channel: 錦之助ざんまい
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ラピュタで『花と龍』を見る

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 2日間、ラピュタ阿佐ヶ谷へ行った。きのうの『武士道残酷物語』は15名ほどの入りだったが、『花と龍』はほぼ満員で、50名近く入っていた。今回のラピュタの特集は佐久間良子がメインだったこともあり、彼女を見に来たお客さんが多かったのだと思う。それに、土曜日だったせいもあるだろう。
『花と龍』は私の好きな映画なので、きょうは楽しむことができた。
 錦之助と佐久間良子の共演は、『独眼竜政宗』以来、6年ぶり。その間、佐久間さんは東映の看板女優にのし上がった。個人的には『独眼竜~』の頃のういういしい彼女が好きなのだが、『花と龍』のおマンさんも大変良い。色気が匂おい、女の貫禄みたいなものも出ている。
 錦之助は東映時代、佐久間良子と3本、三田佳子とは4本の映画で共演しているが、どちらとも息が合っていたと思う。佐久間さんも三田さんも錦之助を敬慕し、錦之助も二人を可愛がっていたからなのだろう。
『花と龍』(昭和40年11月公開)は、時代劇から近現代の任侠やくざ映画路線に転換した東映京都に対して、錦之助をリーダーとする体制内反対派の作った映画でもある。内容的にもやくざ否定、暴力否定を標榜している。
 錦之助が東映京都俳優クラブ組合の委員長を務めて、東映本社と闘ったのはこの年の5月から夏までであるが、秋にクランクインした『花と龍』には組合の面々が揃って出演している。神木真寿雄、尾形伸之介、加藤浩など。三島ゆり子も組合員だったと本人からお聞きしたことがある。当時東映には大部屋俳優から成る東映俳優労働組合もあって、こちらは4年前から東映本社と闘争中だったが、『花と龍』にはこちらの組合員もゴンゾウ役なので数多く出演していたようだ。
 監督の山下耕作は、この頃までは不遇をかこっていて、体制内反対派の一人だったが、『兄弟仁義』から任侠やくざ映画を撮って、傑作『博奕打ち 総長賭博』を作り、東映の屋台骨を背負うヒットメーカーになった。




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